身の回りのお世話をすべて行う従来の介護とは違い、高齢者が自分の力で出来ることを増やすことを目的として行う介護のことを自立支援をいいます。自立支援により、身体的な健康維持だけでなく、出来ることが増えていきます。結果的に生活の質が向上し、精神的にも良い影響を与えるでしょう。
理想的な自立のためには、身の回りのことを全て自分で行ってもらうことが必要なのですが、身体機能が衰えてしまった高齢者がいきなりそうするには無理があります。そこで、自立支援には4つの基本的なケアが設定されています。
それは、水分ケア・運動ケア・食事ケア・排便ケアの4つです。水分ケアは、推奨される水分量を摂取できるようにサポートすること、運動ケアは身体機能の維持向上を目指して運動を行うようにサポートすること、食事ケアは栄養バランスの整った食事を摂ること、排泄ケアは体に無理のない自然排便をできるようにサポートすることです。
これらは独立したサポートではなく、全てが関係しあっています。水分を取り、食事をすることで体を動かすエネルギーになり、体を動かせば自然とお腹が減り、のどが渇きます。そして食事を摂って体を動かせば、自然と内臓も刺激され、内臓を支える筋肉も鍛えられれば、自然な排便を行えるようになります。
このことから、排便ケアを除く3つのケアのどれかを始めることで、自然と他の要素についても改善していくのです。自立支援ではこれらのケアを必要な分だけ行いつつ、いずれはケアの必要がないほどに自立した生活を送れるようにすることが目的です。