高齢者が介護を必要とせず、自分の力で老後の人生を生活できるように必要なサポートを行うことを、自立支援介護と言います。ここで言う「自立」とは、「身体的自立」「精神的自立」「社会的自立」の3つによって構成されています。
身体的自立とは、生活をする上で身体的なサポートを必要とせずに生活できるということです。例えば寝たきりの状態であれば、食事も排泄も入浴も、全て他の人の力を借りなければ行うことができません。この状態では自立とは呼べません。自分で買い物や料理をすることができ、入浴も排泄も自分でできる状態を、身体的自立と言います。
精神的自立とは、自分の今後について他の人に頼ることを想定せず、自分の力で考え、実行していける状態を指します。例えば、老後の夢として旅行をすることや何か趣味を見つけることを目標としても、それに他の人のサポートが必要であれば、本当に自分のやりたいことをすることはできないでしょうし、ケアしてくれる人の許可がなければ何もできなくなってしまいます。自分で自分のやりたいことを実行できる状態が、精神的自立です。
社会的自立は、経済的自立とも呼ばれます。自分の生活に必要なお金を、他の人に頼らず自力で稼ぐことができる状態です。もちろん、高齢者には年金もありますが、それで足りない場合に自分で経済活動を行える状態のことです。
これら3つは身体的自立から始まって、段階的に進行していくものです。まずは身体的に自力で生活できるようになってから、将来のことや経済的な意味でも自立をすることが可能になるでしょう。